肝臓がんを知る
肝臓癌は「肝癌」とも呼ばれ、肝臓に起こる病気の中でも症状が重い病気です。肝臓ガンは、肝臓を構成する肝細胞に発生する「肝細胞癌」と胆汁を十二指腸に運ぶ経路である胆管に発生する「胆管細胞癌」の総称として使われることがあります。
肝臓ガンの分類
肝臓癌は、ガンの起こりや発生した場所に応じて分類されます。
原発性肝癌
原発性肝癌は、肝臓の細胞が肝炎などの病気の悪化でガン細胞化して起こった肝臓ガンを言います。基本的には、「肝細胞癌」という場合は原発性肝癌を示しています。
転移性肝癌
転移性肝癌は、他の臓器で発生したがん細胞が転移を起こして肝癌が発生したものを言います。転移性肝癌は、消化器に発生したガン細胞が血液に乗って転移を起こすことが多いのが特徴です。
胆管細胞癌
胆管細胞癌は、肝臓と十二指腸を結ぶ胆管に発生するがんの中でも肝臓寄りの組織に発生したものを指します。胆管細胞癌は本来、肝臓ガンとは別の「胆管癌」に分類されますが、肝臓と繋がっている部分に起こるため肝臓がんに分類されます。
症状
肝臓癌の症状は、ある程度まで肝硬変と類似します。これは、肝硬変が肝臓がんの前身となる場合が多いためです。基本的には、出血による吐血・下血や発熱・腹痛を伴い、腹水や黄疸などの肝機能の低下に伴う外見的な症状が認められるようになります。また、エネルギー代謝機能が低下するため倦怠感を伴うことが多く、食欲不振になることもあります。しかし、肝臓ガンの最も厄介な症状は「肝癌特有の症状がなかなか表に出てこない」であるといえます。「沈黙の臓器」の別名の通り、肝臓の病気は病状が進行するまで表面化しにくいのです。
原因
原発性肝癌の場合、原因となるのは肝炎や肝硬変などの肝臓の病気が主な原因となります。肝炎が慢性化すると肝硬変を起こしやすくなり、肝硬変が進行して肝臓がんを起こすというような悪循環が原因になることが多いようです。転移性肝癌の場合、他の臓器で起こったガンが進行して転移を起こしたのが原因となるので、合併症と捉えられることがほとんどです。胆管細胞癌の場合、クローン病などの消化器官全体に起こる病気や胆石が原因となるようです。
肝臓ガンの治療法
肝臓は全身に栄養を送る器官でもあるため、肝臓ガンが進行すると全身への転移の可能性が他臓器に起こる癌よりも高くなるといえます。肝臓癌の治療は、基本的には他の臓器癌と同じ方針を採りますが、肝臓がんにしか行われない方法も存在します。
手術
外科手術によってがん細胞化した肝組織を切除する肝切除術は、肝臓癌治療の基本といえます。しかし、肝切除術は「正常な肝臓をどの程度残すか」という見切りが難しく、患者の体力にも左右されることが大きいという難点を抱えています。
化学療法
抗がん剤の投与によってがん細胞を叩く化学療法は、肝臓癌治療においても行われます。抗がん剤の投与は、脱毛や倦怠感などの副作用が伴うことがあるため難易度が高いので「リザーバー」と呼ばれる器具を患者の体内に埋め込み、患部のみに直接抗がん剤を投与する方法を使用する場合があります。
エタノール注入療法
肝細胞は純度の高いエタノールを注入されると破壊されるという性質を利用して肝臓ガンを叩くのがエタノール注入療法です。エコーで癌細胞の位置を確認して注入するため、開腹する必要がないのが特徴ですが正常な肝細胞まで破壊する場合があるため、危険を伴います。
ラジオ波療法
ラジオ波療法は、高周波を通して針を加熱させガン細胞を焼き切るという治療法です。ラジオ波療法も開腹せずに施術できるため患者の負担が小さくなるという利点を持っています。
肝動脈塞栓術
肝動脈塞栓術は、いわば「癌細胞の兵糧攻め」です。肝臓に血液を流す肝動脈にカテーテルという極細の管を通し、ガン細胞に栄養を運んでいる動脈を詰まらせることで血液と栄養を遮断して癌細胞を弱らせて消滅させます。カテーテルは太腿の大動脈から通していくため、患者の負担も小さくできるのがメリットです。
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